博物館とその周辺
フォルッサ博物館
フォルッサ博物館 管轄下には、ミュージアムスポットが3つと、ギャラリーが1つあります。
フォルッサ博物館 の建物は、ケハラーモエリアというテキスタイル工場跡地にあり、1849年築の3階建て煉瓦造りで、工場時代には綿貯蔵庫でした。現在では外観を残したまま博物館 になっており、2階と3階ではフォルッサの町の歴史を紹介しています。1階にはギャラリー「 モレッティ」があり、国内外のアーティストたちの発表の場となっており、年に15回ほど展示が変わります。
博物館 横には1853年築の 染色館がありますが、同エリア内の製糸館で作られた糸を染めていた建物です。 今はプリントテキスタイルデザインセンター「クオシケスクス」になっており、工場時代にフォルッサの工場でデザイン・プリントされたプリントテキスタイルの所蔵品を保管してます。フォルッサのテキスタイル工場はフィンランド最古で最大であったため、所蔵品の量も膨大なものです。常設展ではフォルッサのテキスタイルプリント 史を伝えると同時に、フィンランドのテキスタイルプリント史を伝えることにもなっているのです。
当博物館 から徒歩約10分のところには「 ロンッティスマキ博物館 」があり、工場時代の従業員の家を公開して当時の生活を紹介しています。
館 長:Kati Kivimäki
連絡先:kati.kivimaki (at) forssa.fi(日本語メール可)
03 - 4141 5837
フォルッサのテキスタイル史
フォルッサの町の始まりは、1847年スウェーデン人のアクセル・ウィルヘルム・ワーレン(1814年ー1885年)が、フォルッサの町中を流れる川にある急流・クハランコスキ横に綿製糸工場を創立して、会社をフォルッサ(スウェーデン語で急流や滝のこと)と名付けたことに始まります。フォルッサ社は、機織工場や染織工場も同工場地帯に設立して事業を拡大し、更には1861年にフィンランド初のテキスタイルプリント工場を設立しました。テキスタイル工業で栄えたフォルッサ社は、後にフォルッサ市として独立することになるのです。
1934年にはフィンレイソン社とフォルッサ社が合併して社名がフィンレイソン・フォルッサとなりました。これ以前、フィンレイソンはタンペレで織りの生産のみを行っていましたが、フォルッサとの合併によりテキスタイルプリントの生産へと事業を広げることになったのです。1951年には、フォルッサのプリント工場内にデザインスタジオを併設しました。1974年には社名がフィンレイソンとなった後も、フィンレイソンのテキスタイルデザインとプリントは、依然としてフォルッサで行われ続けました。
2009年にフォルッサのテキスタイルプリント工場が閉鎖されるまで、フォルッサではフィンランド最古で最大のテキスタイルプリントが150年近くの間続いてきたことになります。 フォルッサ博物館には、この間に収集されたテキスタイルプリントに関する膨大な量のデザイン原画やテキスタイルサンプルや資料が保存されているのです。
写真:1969年のテキスタイルサンプル。フォルッサ博物館 所蔵。
ケハラーモエリア
南フィンランドにある小さな町フォルッサにある当博物館 は、ケハラーモ製糸工場のあった工場跡地の中心にあります。製糸工場閉鎖後、外観を残したままリノベーションが行われて、現在はケハラーモエリアと呼ばれて町の文化の中心地となっています。工場の建物群は、今では図書館や造形学校や音楽学校、更には大学や教育センターや幼稚園などとして、今では文化を生み出しているのです。
当館には国内外から観光客が訪れますが、ケハラーモエリア自体も見どころになっています。エリアには工場時代の古い煉瓦の建物群がそのまま残っており、当ミュージアムに加えて市民ギャラリーや、 お子様たちに人気の自然史博物館などもあります。また、公園やエリア横を流れる川沿いの散歩道、クハランコスキという急流があったりと、エリアの散策もお楽しみいただけます。
フォルッサの町の中心地と、このケハラーモエリアを含む一帯は、フィンランド国内に数か所ある「ナショナルシティーパーク」に選ばれた「公園町」のひとつです。選ばれるには様々な基準がありますが、例えば町として作動していながらも、町中には様々な年齢層に対応する市民の憩いの場である公園があること、自然が町と調和していること、歴史観点から見て興味深いこと、町が整備されていることなどです。お越しの際には町の散策も楽しんでみてはいかがでしょうか。 フォルッサへは首都ヘルシンキから車で1時間少しです。
ケハラーモエリアのストリートマップ